
雨の日や雨が降る前の曇り空が近づいてくるとだんだん頭が痛くなる。体のだるさやめまい、むくみを感じる。あなたはそんな経験ありませんか?
梅雨時期や季節の変わり目、気候の変化によって起こりやすいと言われている気象病。私自信その症状に悩まされている人間のひとり。
今回は自らの実体験とその対策法について解説していきます!
気象病とは?
気温や気圧などの気候の変化によって引き起こされる様々な症状の総称のことをいいます(気象病の他にも低気圧不調や天気痛などの別名で呼ばれることもあります)。
実はこの気象病、天気の変化と病気の関係は昔から知られていて、比較的発生頻度が高い症状であることが分かっています。
気象の要素としては気圧、温度、湿度、日照時間、降水量、雷、風などから悪影響をうけるものであるとされています。
気象病のメカニズムについて
では、その気象病はいったいどのようなメカニズムで生じる症状なのか、深堀りしていきたいと思います。
気象病の症状発生には体内の水分バランスとの因果関係があります。人間の身体は約70%を水分で占めていると言われており、急激な気温や気圧の変化によって体内の水分が変動することにより様々な症状を生じます。
具体例で言えば胃腸(いちょう)に水分が集まれば下痢(げり)を催し、頭部に集まれば頭痛を引き起こします。
体内に余分な水分が溜まることは血管拡張(血管が広がること)に繋がるため、仮に脳内の血管が拡張すると周りの神経を圧迫し、炎症を起こすことで頭痛が発生しているということになります。
また水分バランスの乱れは自律神経の乱れをまねくこともあり、急激な気温低下は交感神経を刺激し心拍数や血圧を上昇させるため、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める可能性があります。
冷気に晒された全身の血管は収縮(小さく縮まること)するため血行が悪くなり、肩や首が凝りやすくなるとされています。
起こりやすい症状について
一般的に気象病として起こりやすい症状には頭痛、だるさ、めまい、むくみ(浮腫)、吐き気、食欲不振、下痢、肩こり、関節痛、動悸、全身の痛み、倦怠感、気分の落ち込み(自律神経乱れからくるもの)など多彩にあります。
また、症状やその程度に関してはどのような気候かなどによって個人差があるようで、その症状の出現時期に関しても低気圧が近づいてくる前に予兆でおこる、近づいたときにおこる、雨が降るとおこるなど個人差があるようです。
治療法について
基本的には天候という人の力では改善することができない現象が原因であるため、治療はそれぞれの症状を改善する対症療法となるようです。頭痛は鎮痛薬、めまいは抗めまい薬、気管支喘息の悪化はステロイド薬など・・・。
一方で低気圧などの変化で強い症状が現れる場合には事前にそれらの症状を予防するための薬物療法が用いられることも少なくありません。
またストレスや疲れ、睡眠不足や不規則な生活習慣も気象病による自律神経の乱れなどを助長することがあるので、発症を予防するために生活習慣の改善も大切なポイントになります。
気象病にはどう対策したらいい?
ここでは対策、予防法についてお伝えします。
まず、内耳(気圧の変化などを知覚する耳にある器官)と自律神経には深い関わりがあるため、耳のマッサージが効果的です(耳をもむ、上下左右に5秒ずつ引っ張る、回すなど)。
次に三食のバランスのとれた食事をすることで自律神経を整えます。また適度な運動(有酸素運動、ストレッチ、ヨガ)や入浴(ぬるいお湯でゆっくり)をすることは血流をよくし、体温を維持したり痛みの軽減や自律神経を整えることに繋がります。
さらに十分な睡眠時間を確保する、お酒の飲みすぎを控えるといった意識を併せ持つことで更なる改善、予防が期待できます。
その他の予防法としては、症状の予兆がきた段階であらかじめ薬を飲むことも未然に症状を防ぐ対策となり、今は周期を事前に知らせてくれるアプリもあるようですね!
天気や体調をこまめにノートに記録することもよいでしょう。
最後になりますが、あきらかにいつもの症状と違う場合やいつもと比較にならないほどの頭痛等を生じた場合は、別の原因であることも考えられますので、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
ちなみに、気象病の悩みで受診する場合には何科にいけばいい?と考える方もおられると思います。主に神経内科、漢方内科、頭痛外来の先生がよいそうです!
お住まいの地域に気象病外来、天気痛外来があれば、そちらを受診するようにしましょう!
少しでもお悩み解決の参考になれば幸いです。