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高齢期の運動習慣のススメ!

年齢を重ねれば重ねるほど日常生活がきつい、歩くのがきつい、階段がきついと感じますよね?現在、あなたの両親や祖父母、曽祖父母、高祖父母はそのような状態に陥っていませんか?今からあなたが行動を起こせば、まだ運動の習慣化や状態の改善は間に合います!今回は専門的な視点から具体的な実践や働きかけの方法を紹介していきます。

高齢期とは?

65歳以上は前期高齢者、75歳以上は後期高齢者、と呼ばれています。世間一般的には65歳以上からの事と考えられている方が多く、現に65歳以上の方が高齢者という認識が広く知られていると思います。

2017年に日本老年学会と日本老年医学会が合同で高齢者の定義を見直す機会がありましたが、それまでは運動機能や認知機能、病気の発病率やそのことによる死亡率、国民全体の高齢者の年齢区分に対する意識など様々な観点から調査し、65歳以上を高齢者と定義づけた過去がありました。

しかし現在の日本人においては、75歳以上を高齢者と定義し、より手厚い医療や介護の施策を行うべき対象としてよいこと、65歳から74歳までは高齢者の準備期にあたる状態であることが示されました。

なぜ加齢につれて運動がすすめられるのか?

人間は誰でも歳をとっていくものであり、その運命は避けることができません。昨今の最新医療や研究では不老不死!とまではいきませんが、なんと200歳くらいまで寿命を延ばすことが可能になるかもしれない・・・なんていう研究も進んでいるようです。

しかし、世間一般に浸透するまでの時間は計り知れませんし、やがて寿命は近づいてきてしまいます。分かってはいますが、虚しい事実ですよね・・・でも、現状から少しでも健康寿命を延ばしたい!いつまでも元気でいたい!どこに行くのも生活するのも不自由なく暮らしたい!そう思いませんか?

昨今の現状と今後の推移について

我が国の総人口(2021年調べ)は前年に比べ51万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は、3640万人と前年に比べ22万人増加し、過去最高となりました。総人口に占める高齢者の割合は驚きの29.1%といずれも過去最高を更新する結果となっています。

いわゆる団塊世代(1947~1949年生まれ)といわれる世代が高齢者の域に突入し、どっと高齢者が増えたという見解になると考えられ、世界と比較しても日本の高齢化率はダントツで世界一のようです。

今後2025年、2045年と更に高齢者層が増加していくことが予測され、それと同時に発生する問題(高齢化問題)は計り知れない様々な恐怖の事実が待ち受けているかもしれません。

運動習慣の必要性と重要性について

私は普段から高齢者の方と接する機会が多いわけですが、やはり人と接する中で日頃から思うのは、歳を重ねるにつれ感じる運動の重要性、ということです。

なぜそこまで感じるのかを率直にいうと、加齢に伴って生じる身体的な問題や併発する症状が圧倒的に多い、と体感するからにほかならないからです。年齢が若いうちは義務教育や通学または仕事等にせっせと打ち込んでいることが多く、無意識に体を動かしていますが、定年退職を迎えられた方や老後生活といわれる時期を過ごされている方は、意識的に運動をする機会が格段に減少します。

そのことから体力の低下はもとより、運動習慣の欠如、生活習慣の乱れ、外出機会の減少や運動意欲の消失へとつながっていき、どんどん家に引きこもった生活へ陥ってしまう、悪循環になってしまうのです。

その悪循環を解消し、病気の兆候を払拭していくような習慣のすすめが、ズバリ運動習慣ということなのです!

今日から実践するべき事とは?

運動、運動といっても何から始めればよいかわからない、という人も多いと思います。そんな人のためにも、今回はより詳しく話を砕いて説明します。

ところで皆さんは、体の下半身(下肢)にある大きな筋肉の1つである大腿四頭筋という筋を知っていますか?

大半の人はどこに位置する筋肉か分からず、初耳という方もおられると思いますが、一言でいうと太ももの表側にある大きな筋肉です。身体の中で最も大きい筋肉の集まり、とも言われています。ちなみに、専門的にみると

大腿直筋(だいたいちょっきん)

内側広筋(ないそくこうきん)

外側広筋(がいそくこうきん)

中間広筋(ちゅうかんこうきん)

という筋群で大腿四頭筋と呼ばれており、4本の筋肉からその名が由来しているようです。

大腿四頭筋の主な役割は歩く、走るなどの基本的な動きに加えて足を前に蹴りだすなどの動きにも大きく関与しており、足の動きのほとんどの方向に作用すると同時に動きをサポートしています。

大腿四頭筋を取り上げる理由とは?5つのメリット!

1.基礎代謝があがる

基礎代謝とは、一日のうちで運動せずとも消費されていくエネルギーのことで、カロリーの消費量ともいいます。一般的に基礎代謝は筋肉量に応じて増えたり減ったりするため、体の中で一番大きいといわれている大腿四頭筋を鍛えることで筋肉量が増加し、基礎代謝が上がるということになります。

それだけではなく、基礎代謝の上昇はダイエット効果(脂肪の燃焼効果)もありますので、一石二鳥です!

2.ご高齢の方でもしっかりとした下半身が手に入る

年齢を増していくにつれ下半身の筋肉は腕や手の筋肉と比較して落ちやすい傾向にあり、かなり高齢になると椅子やベッドからすぐに立ち上がれなくなる、なんてこともあります(今は信じられないと思いますが、事実です)。

普段から運動習慣を身につけ、下半身をつかう運動を継続していくことが望ましいですが、高齢のかたは尚更、簡単な運動でも少しずつ行い、習慣化していくことで家の中の動作でも不自由しない下半身を手に入れることができます。

3.むくみや冷え性の改善

すべての身体の筋肉には血液を循環させるポンプのような作用が備わっています。下半身に関しては、重たい上半身を支えるためのより大きな重力がかかっており、大きなポンプの作用が求められます。

つまり大腿四頭筋を強化することで、ポンプ作用による血液循環が促進され下半身のむくみや末端の冷え症状の改善につながります。

4.膝関節疾患を予防する

下半身(下肢)の筋力が弱体化してしまうと腰や膝関節に負担がかかりやすくなってしまい、負担がかかる箇所に何らかの疾患を患ってしまうリスクが高くなります。大腿四頭筋は筋肉量が増加すると長時間の歩行や階段、登山など様々な活動を可能にし、生活場面でも転倒の危険性を防ぐことが出来るとても重要な筋肉です。

いつまでもご自身の足で元気に歩いたり転倒を予防できる下半身を手に入れるためには、毎日鍛える習慣をつけていく事が望ましいと言えます。また、トレーニングだけではなく、運動前後のストレッチも非常に重要になりますので、忘れずに行うようにしましょう。

5.運動習慣を促進する

下半身の筋力が全体的に弱い場合や大腿四頭筋の筋力低下がある場合、高齢の方は生活場面から支障が出始めることがあることをお話ししましたが、少しずつ筋力をつけていくことで日々の生活動作や運動をすることが楽に感じはじめる時がきます。

自主的に運動する習慣をつけることができ、一緒に体力も向上するとスポーツなどの活動に参加することが出来るようになり、さらに運動習慣を促進することが出来ます。つまり下半身の代表ともいえる大腿四頭筋を鍛えることは一石二鳥どころではないメリットがある、ということなんです!

大腿四頭筋の強化方法とは?

1.スクワット

もっともポピュラーな大腿四頭筋の強化方法かもしれませんね。具体的な方法は、

  • 足を肩幅に開き、つま先はやや外側に向けて立ちます
  • 両手を胸元でクロスする(後ろに組んでもかまいません)
  • 足首、膝、股関節が90°に曲がることを目安にしゃがむ
  • 直立姿勢に戻り、同じように動作を繰り返す

10回を2~3セット、慣れてきたら15回を2~3セットで行っていきましょう。

※無理に低くかがむことは控え、初めは腰や膝に負担がかかりすぎない程度に運動をはじめましょう。

2.ランジ

 スクワットと似ているところがありますが、少し違い疲労感も変わってきます。

  • 足を肩幅程度に開いて立つ
  • 片足を大きく前に踏み出す
  • ゆっくり両膝を曲げ、膝がおおよそ90°になるよう下がる
  • もとの姿勢に戻り、動作を繰り返す

 10回を2~3セット、慣れてきたら15回を2~3セットで行っていきましょう。

※数セット終わったら左右の足の位置を変えてやってみましょう!

3.ジムでの筋トレ

 その他の方法としては、ジムに通ってマシンなどを使いながら筋力を鍛える方法です。

ジムのトレーニング器具を使うため安全に行え、インストラクターの方の優しい指導のもと楽しくトレーニングができます。もし、人の目が気にならないという場合は良いかもしれません。

ご高齢でなかなか上記のような運動が難しい方は、椅子に座った状態でも簡単にできます!

利き手側、または手足に何らかの疾患がない健側や前方に手すりが位置するようにして椅子に座り、両手でしっかり手すりを持ってその場で立ち上がります。簡易的ですが、立ったり座ったりを10回の数セット~休みながら続けていくことで同様の効果が得られます。

※骨密度が低下している方や腰部の脊椎等を骨折されている方、またはその既往歴がある方などは、ドンと椅子に座らずゆっくりした動作を心がけ、注意しながら起立練習を行うことが大切です。

ストレッチ方法とは?

運動をする前と後に必ず行っておきたいのが、このストレッチです。普段、人は歩く程度の運動では、さほど関節の柔軟性を得ずに行うことができます。しかし走ることや大きく関節を動かす必要のある筋力トレーニングなどでは関節も事前の準備が必要であり、ストレッチをせずに開始してしまうと関節やその周囲の軟部組織、筋肉を傷める原因にもなってしまいます(肉離れなど)。では簡単に行えるストレッチ方法を見ていきましょう。

1.中腰の姿勢で

 まずは簡単に膝立ちの状態で行える方法からご紹介していきます。

  • 布団やマットなど柔らかい素材の上に膝立ち姿勢になる
  • 片足を前に踏み出して膝が90°に曲がるように姿勢を整える
  • 後ろの足をやや後方へ引く
  • 後ろの足の膝をゆっくり曲げる
  • 手で足の甲をつかみ、お尻に近づける

上記⑤番目で大腿四頭筋が伸ばされている状態になります。片足ずつ1分程度行いましょう。

※バランス能力に低下がない方は、立った状態で行うこともできます。

2.うつ伏せで

 次にうつ伏せの姿勢で行えるストレッチ法をご紹介します。

  • 布団やマットなどの上にうつ伏せになり、全身の力を抜く
  • 片膝を曲げ、曲げた側の手で足の甲をつかむ
  • ゆっくりお尻に近づけていき持続する

※同じく1分程度ずつ行います。下半身の大きい筋肉になるので、ゆっくり時間をかけながら複数回繰り返していくことで、より柔軟性が得られます。

トレーニングを行う上での注意点とは?

ずばり運動の負荷量には注意が必要であるという点です。

何度も説明するように大腿四頭筋は大きい筋肉であるため、強化していくとメリットが多くありますが、大きい筋肉がために運動の負荷量を間違ってしまうと醜い筋肉痛を来してしまったり、筋線維や周囲の関節を傷めてしまったり、ダイエット目的で行っている方などは見当違いの効果が出現することもありますので注意が必要です。

普段から下半身の運動をよく行っている方は重り(重錘)などを使用したトレーニング方法が効果的ですが、運動機会が少なくこれから始められる方は10~30回を1セットとして、数セットずつ。高齢の方は5~10回を1セットとして休憩をはさみながら数セットずつ、などを目安に無理なく行っていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

大腿四頭筋を鍛えるメリットやデメリット、運動方法や注意点を説明させていただきました。年齢を重ねるにつれて人間の筋肉は驚くほどに衰えていきますので、意図的に運動習慣をつくっていき、それを習慣化することの重要さを今回お伝えできればと思います。

無理なく大腿四頭筋を中心とした下肢の運動を継続していき、いつまでも健康な生活を続けられるようにしていきましょう!

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