
頭痛もち、という言葉を聞いたことがあると思います。まさしく私も幼少期から、そう言われてきた人間のうちの一人です。しかし、この頭痛にも種類があるようで、人によっては気候の変化や急な精神状態の変化、光や音などの刺激、脳卒中など命に関わる可能性もある頭痛など様々な原因のもと頭痛症状を誘発してしまうようです。今回は、頭痛の種類について紹介していきます。
頭痛の種類とは?
日本人は頭痛に悩まされている方が非常に多く、なんと3人に1人は頭痛もちと言われているそうです。これには私も驚いており、自分の周囲や職場でもあまり頭痛に悩まされている人や現場をみることが少なかったので統計結果を疑いましたが、頭痛の程度に違いはあれど実際はかなり多くの人たちが同様の症状を実感しており、事前に内服薬で対処したり自己管理を行っているため、その場面に遭遇することがなく実感がなかったんだ、ということに気づきました。それでは詳細を見ていきましょう。
頭痛には大きく分けて一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があります。
一次性頭痛とは?
一次性頭痛は、他に頭痛の原因となる疾患がなく、慢性的に頭痛を起こすものをいいます。
内容としては、以下の3種類が挙げられます。
・偏頭痛
特に若い女性に多く見られているようで、多くは病名の通り片方に現れますが偏頭痛の方の4割が両側に痛みを訴えます。痛みはこめかみから目の周囲に現れることが多く、月に1〜2回、多いときは週1回程度生じるようです。
また、痛みの出かたとしては、ズキズキ、ガンガンと脈を打つように痛みが現れます。睡眠不足、睡眠過多、気温や天候が変わる前、食生活、ストレス、ホルモンバランスの崩れ、身体の凝りが誘因の原因であると言われています。
また、光や音に敏感になり、チカチカとした光が見られる頭痛の前触れ(閃輝暗点という)があります。同時に吐き気や嘔吐を伴うこともあるとされています。
私が日頃痛感しているタイプも、どうやらこの頭痛のようでストレスや遺伝も関係しているといいます(そこにも心当たりがありますね・・・)。
・筋緊張性頭痛
一次性頭痛の中で最も多く見られる頭痛であり、中高年の方に多いのが特徴といわれています。スマートフォンやパソコンなどの操作で毎日長時間、同じ姿勢でいる方に見られるようで、頭痛に加えて首や肩のこり症状を訴えるほか、眼精疲労とも関連が深く目の痛みも訴えられます。
また自律神経の乱れ、冷え、ホルモンバランス、ストレスが筋肉の緊張のきっかけになることもあります。症状としては後頭部を中心に両側に痛みが出るようで、ほぼ毎日出現する方もおられるようです。
痛みの出かたとしては圧迫されるような、もしくは締め付けられるような痛みで一般的にズキズキはしません。痛みは軽度から中等度で日常生活に支障をきたすことはなく、寝込む程ではないようです。この種類の頭痛は精神的、肉体的両方のストレスが関係しているといいます。
・群発性頭痛
若い年代に多く85%は男性とされていますが、近年は女性にも見られているようです。
眼周囲から前頭部、側頭部にかけてキリキリ突き刺すような激しい頭痛が集中してある期間、毎日起きる(群発する)ことが特徴といわれています。
痛みの種類が違うため、通常の頭痛薬では効果が無いようです。夜、寝ている時に起こりやすく目の充血、涙目、鼻づまり、鼻水、まぶたが下がる(眼瞼下垂:がんけんかすい)などの症状を伴うことが多いことも特徴とされています。この頭痛に関しては未だ原因がよく解明されていません。
二次性頭痛とは?
二次性頭痛は、背後に命に関わるような大病(脳卒中、脳出血、くも膜下出血など)が潜んでいることが多く、バットで殴られたような激しい頭痛など、普段と違う頭痛を伴うとされています(すべての人がそのような痛みを感じて発症している訳ではありません)。
この出現様式の頭痛には特に注意が必要であり、すぐに救急要請や近医の受診が必要な状態であることが多いですので、速やかに受診・相談するようにしてください。
これらの頭痛に対する対策はあるのか?
頭痛をそのままにしない為に・・・
慢性的に頭痛の症状に苛まれているとはいえ、頭痛薬を日常的に飲みすぎると薬剤の使用過多による薬物乱用頭痛に移行(薬の効き目が徐々に弱くなっていくことも報告されている)し、さらに頭痛が悪化することもあるため、頭痛薬の飲みすぎには注意が必要です。
全ての頭痛薬に関して一概には言えませんが、頭痛薬は多くても週に1〜2日程度にとどめる必要があります。
頭痛の治療について
頭痛の種類によっては、鍼灸(はりきゅう)治療が効果的な場合があります。鍼灸院などへ出向き鍼灸治療を施行したり、助言をもらうことも改善への一歩かもしれません。
また、猫背姿勢が原因で筋肉が凝り固まっている場合の痛みはもちろん、根本となる悪い姿勢を改善したり、姿勢を支える筋肉であるインナーマッスルをしっかり鍛えていくことで頭痛が軽減する(本来あるべき自然な姿勢に戻すための施術や痛みをとりのぞく首肩の緊張をほぐすマッサージでリラックスしながら根本的な頭痛の解消を目指す)ことも期待できます(細かい筋の働きやメカニズムは別の記事でも紹介していきます!)。
他にも外傷による頭痛、生まれつきの体の歪みが原因なども考えられます。痛くなった時期、痛み方、心当たりのある不調や痛みは身近な専門の方に伝えるようにしましょう。
日常生活面での工夫とは?
頭痛は生活環境が発生の原因であることも多いため、まずは自分の一日のスケジュールや生活の習慣を見直してみましょう。
ホルモンバランスが崩れてしまうような生活(徹夜など不規則な睡眠・・・)
不安定な食生活(暴飲暴食、偏食、食事を制限しすぎている・・・)
姿勢(長時間肩や首に負荷がかかる姿勢・・・)
ストレス(過度な仕事量、人間関係、家族関係・・・)
気付けばこのような生活を送ってしまっていませんか?
また、生活習慣の乱れは生活習慣病(別の記事で詳細を解説しています!)のリスクを高めますし、脳卒中などの重篤な疾患の前触れも頭痛が前兆かもしれません。
しっかり生活習慣を見直したり一度専門医を受診し、自身の頭痛の原因がどの種類に該当するのかを調べておくのも、改善につなげていく上で大切です。より頭痛の回数を減らし、一日でも早く頭痛解消を目指していけることを願っています。